職員紹介・インタビュー
子どもに関する仕事に興味がある学生には、うってつけの職場のような気がします。
はやしさん
補助員/児童センター 勤続3年目
- 趣味:
- 演劇、カラオケ、編み物、絵を描く ほか、ものを作ること全般
大学在学中のはやしさん。朗らかな声で、児童センターでの日々を語ってくれました。
本業は大学生ですね。
信州大学教育学部の4年です。教員以外の道に進むことに決めはしましたが、教育学部で学んだことを今後も何らかの形で活かしていきたいと思っています。
この仕事に就いたきっかけは何でしょうか。
もともと、サークルの先輩がこの児童センターで働いていて、辞めるにあたり後任を探していたんです。私もアルバイトできる先を探していたので、これは渡りに船だと思いました。
どのくらいの頻度で働いていますか?
週2日くらいです。大学2年、3年の時は忙しかったので、週1日とか、月2回だけの時もありましたが、そんな私のわがままを聞いていただき、働き続けることができました。だいたい14時45分から17時45分、1日3時間の勤務ですが、遅番の日は15時から18時30分ですし、(学校の夏休み期間など)1日開館の時は、朝8時30分から13時30分というシフトで働くこともあります。
児童センターでは、具体的にはどんな感じで働いていますか。
14時45分からの勤務の場合、私が児童センターに来るのと、子どもが学校から来るのはほとんど同じ時間です。子どもより早く着いた時は(主な準備は、先に出勤する支援員がするので)、自分はおもちゃの整理をしたり、電気を点けたりします。この児童センターは小学校1年生だけの利用で、1日に50~60人くらいが来ます。主な部屋が3つあり、各部屋の様子を見て、支援員の手薄なところに入ることもありますし、これをやってほしいと支援員から指示がある時もあります。
どんなことをして、子どもと過ごしていますか?
遊びについては、子どもからいろんな要望が出ます。例えば、ドミノを一緒に作ってほしい、折り紙を折ってほしい、本を読んでほしいなど。マンガを読んでほしいという時は、セリフだけでなく、ガーンとかしょぼん、といった擬音(ぎおん)まで全部読んでちょうだい!と子どもに言われたりもします。児童センター内にピアノもあるので、一緒に弾くこともあります。あと、ドッジボールやフラフープなど、体を動かすことに誘われることも多いですね。大縄跳びの縄を回す役になることもあります。「宿題がわかんないー」と子どもに言われて、「じゃあ一緒にやろうか」と、共に考えたりもします。
さまざまなことをしていますね。
そうですね。生意気なことを言ったりやったりする子ももちろんいますが、それも含めて、楽しいです。例えば、自分が髪の毛を切ってきた時も「せんせい、かわいいよー」から始まって、「何それー」とか「せんせい、変わった?」と訝し気(いぶかしげ)に言ってきたり、反応もさまざまです。本当にいろんな子どもがいますし、一人ひとり違いますね。
この仕事の良いところは、どんなことだと思いますか。
個人的には、とにかく楽しいです。飲食店でアルバイトしていた時期もありますが、私は大人相手だと緊張してしまうところ、ここでは素(す)でいられる気がします。館長や他の職員の方も、気軽に接してくださってありがたいです。あと、教育学部と言っても、実際に子どもと触れ合うのは実習の時だけで、年にせいぜい2~3週間だけですが、ここでは子どもの様子を1年間通して見ることができます。宿題でこういうことが分からないんだなとか、こういったことが許せなくてケンカになるんだな、とか、いろいろと気づきがありますね。子どもに関する仕事に興味がある学生には、うってつけの職場のような気がします。
働く時に心がけていることはありますか。
怒るときは、なるべく短く怒るようにしています。先日、私が掃除機をかけている時にふざけてコンセントを抜いた子がいて、「やめなさい!」と怒りましたが、それでおしまいにしました。大学でも「子どもを怒ることと、長い時間子どもを責めることは違う」と教わりました。子どもは長い時間怒られると、何で怒られているかを見失うんだそうです。その結果、子どもは、自分の何が悪いのかととぼけたり、どうせ怒られるんだと同じことを繰り返したりもします。(怒られる場面を)周りで見ている別の子も緊張しますし、子どもによってはそれで実際に具合が悪くなることもある。怒るべきときは、悪いところをなるべく端的に伝えるようにしています。
なるほど。働いていて困ったことはありましたか。
どう叱ればいいか分からない時がありました。以前にこの児童センターにいた別の学生(補助員)の話ですが、子どもが、その補助員が座っていると体によじ登ったり、膝の上に乗ってきたりするんですね。これは危険なので止めないといけないのですが、その学生はされるがままになっていて。私が「いいかげんにしなさい!」と子どもたちを引きはがして、「〇〇先生のことが好きなんだねえ……分かるよ。でも、このままだと逆に嫌われちゃうよ」と言いました。あと、子どもにわざと触られるというセクハラまがいのこともあるので、その時は「次に同じことしたら、お仕置きじゃ!」と怒ります。今は対処できますが、初めは無理でしたね。
確かに、最初は戸惑うでしょうね。こういう時に叱っていいのか、ではどう叱るのか。
そうですね。試行錯誤しながら、自分なりに今の形に落ち着いた感じです。
印象に残っていることを教えてください。
昨年のことですが、子どもたちと一緒に、いろんな動物が描かれた紙を見て、その動物の名前を実際に書くという遊びをしていました。その中で、何の動物かすぐに分からない子がいたのが「ラッコ」の紙。「せんせい、何、この動物?」と訊かれ、「この動物は海にいて、背中を下にして泳いでいるよね。お腹のところに何か持ってるでしょ?これは貝で、コンコンコンって、殻を石で割って、中身を食べるんだよ」と教えたところ、その子は「へー!変な動物もいるもんだねえ。貝なんて、焼いて食べたほうが絶対美味しいのに!」と真顔で言い、私はつい爆笑してしまいました。
ああ、それは一理ありますね!
そうですよね(笑)。あと、私が以前、子どもとぶつかって血が出るくらいのケガをしたことがありました。その様子を見て、すぐ近くにいた別の子が驚いてギャン泣きしたんですね。「じゃ、先生、ちょっと(患部を)冷やしてくるからね」と言って、私はその場から離れましたが、しばらくすると、そのギャン泣きしていた子が「せんせい、これ……」と折り紙で作ったカードをくれました。開けてみると、そこには「ありがとう」と書いてあって、はて?と首をひねったのですが、後で思うと、何かポジティブな意味の言葉を、血を流すほどのケガをした私にかけてくれようとしたんだなあと思い当たりました。小学1年生なので、お大事にという言葉はまだ出てこなかったけど、その子なりに一生懸命考えてその言葉を書いてくれたんだろうと思うと、とても嬉しかった。大事な思い出ですね。
はやし補助員と子どもたちの、心の交流が伝わってくるようです。
結局、みんな同じ人間なんですよね。子どもたちを見ていて、大人でもこういう人いるなあ、大人でもこうなる時もあるなあと思うこともあります。児童センターで過ごす日々が、自分の普段の人付き合いにも生きていると感じます。
高校、大学と演劇をしてきたというはやしさん。演劇で鍛えた声と身振り手振りで、こちらも楽しいインタビューでした。きっと、子どもたちとも楽しい日々を過ごしているのでしょうね。